【リアルな経験談】女性がタクシーに転職する際に気を付けたいポイント

【リアルな経験談】女性がタクシーに転職する際に気を付けたいポイント

最近、Youtubeなどの広告で、「ご飯を食べることもなかなかできません」みたいなCMをよく見ることが多くなってきて、そのたびにけこちは

けこち
タクシーに乗るといいんじゃないのかね?

なんて思ってしまうのですが、乗ればいいなんて言われても実際にこの家庭環境で自分がそんな仕事できるのか、売り上げはいくらくらいで給料はいくらくらい稼げるのか、なんて考えるとよくわからないことだらけで躊躇しちゃいますよね。

この記事では女性がタクシーに転職するときに考えておいた方がいいポイントを挙げていきます。特に母子家庭で生活が苦しい中でもなんとか子供を育てるために稼がないといけない方、けこちも元々は母子家庭経験者なので少しでも応援になれば幸いです。(女性とは言っても、介護などで今の仕事の継続にお困りの方にも当てはまるような参考情報になるように記載していきます。)

けこちは法人タクシー会社経験は今務めている一社のみのなので、あくまで自分と自分の周りの経験、そして知り合いの転職経験、知り合いの法人タクシー会社の話を中心にお話していきますが、表向きの採用情報だけでは得られない、リアルな情報をお伝えできると思います。今けこちの周りで転職したいという人が多く出ています。せっかくタクシー会社に入ったのに更に別のタクシー会社に転職なんてしたくないですよね。転職ってそれなりのパワーを必要としますので大変です。ということで、この記事は「できるだけ最初からベストマッチな法人タクシー会社に出会えるためのヒント」だと思ってください。

最初に申し上げておきましょう。この記事では時々自分の経験談を挟んでいきますが、けこちが今いる会社を貶めるものではありません。会社で経験した事象の内容はともかく、けこちは個人タクシーになれるまでのレベルに育ててくれた今の会社に感謝しています。あくまでも起きた事実を参考に、これから転職している人たちが時間を無駄にすることがないように伝えることが目的ですので誤解なきよう。

目次

年齢が上がれば上がるほど就ける職業の幅は狭まるけれど、法人タクシー会社なら就職できる

例えば

45歳を過ぎ、特に特別な資格や実務経験がない女性の場合、喜んでぜひ来てほしいと言ってくれる職種は「介護・清掃・保険」の三択くらいしかできなくなるのが現実というのがけこちのイメージでしたが、けこちはタクシーに乗り続けていた為に10年ほどの感覚のギャップがあるかもしれません。今現在皆さんはどう感じていますか?パソコンによる事務作業も、今やAIが出てきたので、プロンプトを操ってエクセルのマクロを作れるとかくらいできないといけないかなと想像していますが実際はどうでしょうね。社員自身がAIでうまいことやっていける環境になっていたら、将来的には事務系の派遣だの業務委託だののお仕事もだいぶ減りそうな気がします。派遣や契約社員などによる業務委託などは選択肢としてまだあると思いますが、就職という選択肢は残念ながら不可能に近い状態ではないかと思います。

最近はライドシェアなどで派遣のような形式で乗務する会社も出てきたようですが、タクシーは基本年齢問わず社員になれる職業と言えるでしょう。

勤務形態・勤務時間について

タクシーに乗りたての頃は会社から「最初は昼日勤だけをやってください」と言われるかもしれませんが、少し慣れてくれば勤務形態は基本自分で選ぶことができます。子育て中の方はお子さんの各年代で状況は違ってくると思いますが、小さなお子さんがいらっしゃる場合は「昼日勤」という働き方が無難かと思います。お子さんが自分で料理ができるような年頃であれば隔日勤務もいいかもしれないけれど、小学校中学校は特に、親子の触れ合いも大切にしないといけない時期。子育ての時期ってやり直しがきかないのでそこは妥協しない方がいいかなと子育て経験のあるけこちは思います。ただ、昼日勤をやっている法人タクシー会社は少ない印象。各会社に昼日勤という勤務形態があるかどうかを確認してください。

タクシーの勤務時間については大体内容は現実と同じである厚生労働省のこのサイトが見やすいので、以下のリンクを参照し、自分のライフサイクルと照らし合わせて具体的にイメージしてみてください。

 写真でみるハイヤー・タクシー運転者の仕事

隔日勤務の人は、仕事が終わった後けっこうしっかり寝ているようですが、平日に休息時間があてられるので役所に用事があったりするときに便利みたいです。まぁ、これも考え方に個人差があると思いますが。

けこちは子育てしていたのでずっと昼日勤で全然辛くないのですが、「昼日勤は毎日出るから辛いし、毎日出てると何にもできない!」と隔日勤務の人は言います。ここで言う何にもできないというのは、帰ってきてからご飯作って早めに寝てまた次の日仕事に朝から出て、の繰り返しである昼日勤はつらいと、こういうことのようです。けこちは太陽と一緒に動く働き方が自分に合っていると感じていて、そう思っている人は一定数います。どちらがいいのかははっきり言って好みですね。

子育て中の母親であれば夜日勤は選択肢には入らないと思いますが一応書いておきましょう。夜日勤は収入は高くなる傾向になるせいか、けこちの会社ではある程度タクシーの動きに慣れてからでないとやらせてもらえません。

一か月に何日働かなければいけないのか

転職した人や、別の会社にいる人に話を聞いてみると会社ごとに違うということがわかってきました。こうだと決まっていても実際にはゆるく働かせてもらえる会社もあるようです。

けこちの会社では、一か月に最低でも昼日勤だと22日(隔日勤務は11)は乗務しないといけないことになっています。

カレンダーを見てみて下さい。昼・夜日勤で22の場合は週休二日のようなイメージです。隔日勤務の場合は週2~3日出るようなイメージ。私の周りにいた女性乗務社員は「昼日勤で22はきつい」と言って責任日数が少なくてもいい会社に何人も転職していきました。

給料は一体いくらくらいになるのか

これははっきり言って売上次第なのだけど、例として昼日勤の定時の勤務時間は8時間45分だとして、朝7時出庫、夕方4時くらいに帰庫して終業、夕方4時半くらいに家路につく、としましょう。定時帰庫(午後3時半~4時)だと2025年現在では普通に売り上げたとして、25,000~35,000くらいです。やる人はもう少し長い時間働いて昼日勤でも4万とか行ってる人もいます。新人さんだともう少し少なくなるかもしれないですね。

ほんとにざっくりの概算ですが、これを参考にしてください。給料の計算は各会社で当然変わっていますが、だいたいの会社が売り上げの半分くらいが給料くらいになっている設定だと思うので

【例】 (一日当たりの売上×働いた日数)÷2

ってな感じでしょうかね。

この例に出した昼日勤はどうしても収入は低くなってしまいます。参考までにけこちの会社での手取り額の参考を記載しましょう。

隔日勤務 35~40万
夜日勤 40~50万
昼日勤 20~50万

※参考…課長 30万

ちなみに個人差はありますが、雇用保険料、厚生年金料、健康保険料、介護保険料、所得税、住民税などで引かれる金額はそれなりに高いです。

ざっくりとしか言えませんが、給料計算のリアルなところでいうと「足きり」というものが存在しており、売上金額から会社に取られる金額の割合が各勤務形態で違っています。日勤は足きり率が低いのと、働く人のライフスタイルも幅広い(ガツガツやれる人もいれば、育児や介護で緩めの働き方しかできない人もいる、けこちのように個人タクシーを目指している為に絶対安全で売上度外視の人間もいる)ので、結果金額も幅が広くなるなりがちということが言えるでしょう。

他社に転職していった人はうちの会社より収入が10万多くなったと言っている人もいます。転職者に話を聞いてみると、その要素として一番の原因になっているのは「歩合率」と各会社の「アプリの集客力」なのは間違いありません。

一般事務の派遣で働くと一か月(出勤日数は一か月20日だとして)の給料は20万くらいでしょうか。お金がほしいからもっと働きたいといっても残業は好きにさせてもらえず、休みが多いと収入が減りますね。タクシーも休むとその分給料は減りますが、頑張りしだいで稼げるという点と、将来的に個人タクシーになるとしたら75歳までタクシーに乗れるという要素がこの仕事にはあるという事です。(心身が健康な場合に限りますが)

タクシーではお客様の都合で予期せぬ残業になることがあるので、一般企業のように残業申請や残業の伺いをしなくても良いという事になっています。ただし、各勤務形態でそれぞれ一乗務あたり〇時間までと勤務時間を決められているので、そこを超えないように営業しないといけません。

60歳を過ぎた自分をどこかで雇ってもらえるものなのか、雇ってもらったとしてもどれくらいの給料をもらえるのか、派遣だったら切られるのではないか、など、それぞれのリスクをご自分の人生のスタイルと照らし合わせていろいろ考えてみてください。

ライドシェアはどうなのか

自家用車があるとすればライドシェアという選択肢もあるでしょう。基本は以下の条件でできるみたいですね。

  • 普通自動車第一種運転免許を取得して1年以上経過している
  • 自家用車を持っている

給与形態は基本は時給で、時給金額も各社それぞれ違うし、それとプラスで各社様々な要素があり、「+歩合給」となっていたり「+手当/1h+歩合給」となっていたりしますし、シフトの組み方も含めて各タクシー会社にしっかり確認する必要があります。

車を持っていて副業感覚でスキマ時間を利用して緩めにうまく稼ぎたいという人は良いでしょうが、メインの稼ぎ方としてしっかりした収入のアップを考えたい人はこの選択肢はないかなと思います。それと仕組みの話で言うと、歩合はプラスされるとしてもその割合がどれくらいなのか紹介サイトではわからないという事と、時給という時点でタクシー会社の取り分がかなり大きくなるのではないかという事が想像できます。

タクシーをしながら子育てをする場合に想定されること

子育てと一言で言っても、子供の年齢、家族構成、協力者の有無、家と会社までの通勤時間や距離、など様々な要素によって子育ての「きつさ」のレベルは多様なケースが存在します。すでにお子さんがいらっしゃる女性のタクシー会社への就職転職というくくりだけではなく、これから子供を産み育てる予定が比較的近い時期にやってきそうな若い方(特に新卒)であれば、その辺の環境を整える動きをしておくの事をお勧めします。子育てというのは自分の努力だけではどうしようもないことの連続であり、ある意味サバイバルとも言えます。

妊娠~出産の流れ

妊娠するということは、まず体にどんな変化が現れるかを理解しなければなりません。若い方は想像できないかもしれませんが、体の変化による影響と、それにつれて経済的な影響が出て来ます。

  1. つわり
  2. おなかが膨らむ
  3. お客様の重いスーツケースなどは持てなくなる
  4. 通勤や歩くことがつらくなる
  5. 定期的に検診に行かなければならない
  6. 車にずっと揺られることによる胎児への影響
  7. 産休・育休の仕組みの確認

1は個人差はあるにせよ、仕事できないくらい重くなることもあり得ます。

2はハンドルとおなかの距離がきつくなってくるという事で物理的に運転できる状態ではなくなることも考えられます。

3の大きな荷物については力む動作になるため、妊婦に持たすのは危ないでしょう。だからと言ってお客様に持たせるのもサービス提供者として考えるとちょっと違いますよね。

4は家の場所などで個人差があると思います。

5の検診は一か月に一度あるものですが、出産間近なら産休に入れるから頻繁に行くことになっても心配はないでしょう。

6については因果関係は何とも言えないけれど実際に早産になった人がいましたので参考までに。

7は普通の会社なら取得できるはずですが、なんといってもほんの10年位前まではタクシー会社は完全なる男の世界でしたので万が一という事はあり得ます。会社として対処の仕方に慣れていない可能性もありますので一応確認しましょう。

※産休は、労働基準法第65条に基づいて、妊婦本人が請求すれば取得できるもので、会社は拒否することはできません。

その他これは非常に大切な要素ですが、妊娠して乗務が困難になった時、代わりに事務などの働き方が出来るのかどうかを確認してみましょう。(コールセンター勤務、お客様センター勤務などの内勤業務)これはさすがに大きな会社じゃないと難しいかもしれませんね。

以下のようなサイトで、妊娠出産における産休育休の仕組みや雇用保険から育児休業中に支給される「育児休業給付金」の事など、自分自身で勉強しておくことは大事です。自分を守るのは自分自身です。

 厚生労働省 働く女性の心とからだの応援サイト 産前・産後休業を取るときは

【参考】託児所付きのタクシー会社もある

関東自動車交通株式会社(東京都江戸川区)…ベビーランドひよこ
すばる交通株式会社(東京都足立区)…すばる保育園
日の丸交通株式会社(東京都世田谷区)…ヤクルト保育園と提携

上記の法人タクシー会社は託児所を完備しており、勤務時間の詳細は確認しきれない会社もあるけれど昼日勤がありそうな雰囲気なので参考までに。乗務社員だと利用料金が安かったり無料だったりするので要チェックです。

けこち
これは働くお母さんに安心できそうな仕組みですね!

保育園に預ける場合

保育園は何時からやっているか、何時まで迎えに行けばいいのか、特に朝が早い仕事なのでここはタクシーが出来るかどうかの判断にかかわる事です。出庫する時間が朝早すぎる場合は保育園が対応していない時間もあり得ます。保育園に預けられない場合は助けてもらえる人を作れるかどうかも大切な要素です。

参考までに、けこちの会社での昼日勤は朝7時~8時半の間に出庫し、午後3時半までに帰ってきて夕方の4時半には会社を出る流れにできます。子育て中のお母さんで9時くらいまでの間で不定期の時間として出庫させてもらっている人もいますが、遅く出ても早く帰らなければいけないので、昼日勤は特に“細かい需要を重ねる”という営業スタイルなので、どうしても売上はできなくなります。

これをら踏まえると、会社がその辺の条件で受け入れてくれるのかどうか、臨機応変な受け入れがだめなら、保育園生がいるお母さんの場合、保育園へのお迎えをお願いできる人がいる、料理を作ってくれる人がいるなど、助けてもらえる人がいるかどうか、で判断せざるを得ないかなと思います。

小学校のお子さんの場合

朝早い出勤だと子供を送り出す事も出来ません。家と会社が近ければ出庫時間を遅めにしてもらうくらいで対応出来る可能性も出て来るかと思います。それと低学年であれば学童に入ることもできるでしょう。ただ、夏休みや冬休みは学童もやってないことが多いので毎日のお弁当も準備しないといけないケースも出てきます。

けこちは子供の長期休みの際は北海道の実家に子供を単独で送りこみ、面倒を見てもらったこともありました。(当時は一般企業で残業多めの会社だった)例えばANAのジュニアパイロットをよく利用していましたが、以下の各社にもあります。ご実家で受け入れてもらえるなら頼るのもアリです。

 ANAジュニアパイロット(お子様一人でご利用のお客様)[国内線]

 JAL お子さまだけでのご旅行

 AIRDO お子様だけの旅をお手伝い

 Skymark Airlines お子様一人旅サポート(スカイキッズ)

子育てすれば当たり前に発生する当日欠勤

けこちの会社は当日欠勤を非常に嫌がります。

同じ課で頑張っている子育て女性は保育園生・小学生のお子さんが居ますが、子供が居たら急に休まないといけないことが出て当たり前。子供が具合悪くなると普通の保育園は登園できませんから当然お母さんは家で面倒を見ないといけません。出勤するはずだった朝、会社に電話してお休みしますと言いますね?これが当日欠勤、略して当欠というヤツです。

その子育てを頑張っている女性に対して課長は

「ああ、あの当欠ばっかするヤツ!?」

そんな発言をする課長に対し、けこちは自分の会社にがっかりしたと同時に、これが現実なんだと思いました。就職するときは本社側で良いこと言っておいて、結局現場である営業所に来るとこういう昭和の時代を引きずっているような発言をまだまだしている者がいる。これ、残念ながらその会社の社長にならない限り誰にも変えられません。でも、うちの営業所ではそんなことを言われても(言われているのを知らないかもしれない)負けずに割り切って自分のペースを守って働いている人が数人います。

法人タクシー会社にとっては車が動かない日ができることが損失なのは間違いありません。だけど、絶対的稼働重視な会社というだけではなく、長い目で女性のライフスタイルを考えてくれるかどうか、それは非常に大切なことかなと思います。幼い子供がいる場合、当日欠勤するのは本人のやる気云々ではなく、人間の営みの中の一定期間に限って起こる一つの要素として致し方のないことですからね。

日本にある普通の会社でも女性を雇うことで発生する現実的な金銭的損失などを考えるでしょうから、恐らくこの辺はタクシー会社の話だけではないでしょう。その一時の金銭的損失を日本の未来を担う子供たちへの投資と考えられるかどうかという、日本の子育て文化の話にも通じることかもしれません。

転職イベント会場で気を付けること

過去に、女性用の転職イベント会場で、

「タクシー会社で~す!ほんとね、ら~くなんですよ~。一か月の半分は休みなんですから!」

なんてバナナのたたき売りのような呼び込みをしている転職会社の営業担当がいました。隔日勤務は2日に1回出勤するだけでよいという意味で半分休みだと言っているのでしょう。「休日」のように聞こえてしまう「休み」という言葉の選び方は間違いです。隔日勤務の仕事を終えてから休む時間は正式には「休日」ではなく「休息時間」といいます。

とにかく法律によるタクシーの勤務時間の仕組みもわかっていない人間による「楽」を餌にして呼び込む無責任な勧誘には気を付けてください。

勤務形態・勤務時間についての章にある厚生労働省のページで勤務時間についての仕組みを確認しましょう。

タクシー乗務社員という働き方はブラックか否か

法人タクシー会社は国土交通省にきっちり監督されているので、乗務社員という働き方は実は非常にクリーンな仕組みになっています。運行管理者によって残業が過多にならないよう管理されています。乗務社員が意図的又は意図としなくても勤務時間をオーバーしてしまった場合、いわゆる帰庫オーバーについては何らかのペナルティーを科せられることもあるほどです。

注意するとしたら以下のようなその他の要素です。

有給について

皆さん有休は自分の権利と思っていると思いますが(世の中ではそれが当たり前)有給を取る条件を確認してみて下さい。

けこちの会社は一台でも多く車を稼働させたいのでとにかく乗せたがります。有休もなるべく取らせたくないという意思を確実に持っており、有休の届出用紙も班長に言わないともらえません。

例えばけこちの会社では一か月の責任日数(※注1)が22(隔日勤務は11)切らないと有給は取れませんよ、例えば一か月で24とか26(隔日勤務はその半分の日数)乗って有給をとるというのは認められませんよ、と言われます。あと、当日欠勤の有給取得は認められません。この会社に入るまで知らなかったのですが、労働基準法によると当日になっての年次有給休暇の申請を認める義務まで使用者にはないとのことです。

けこち
けこちは前の会社では当日欠勤も普通に有休に充ててもらっていたんだけど、優しかったんだね前の会社は。

注1※責任日数…一か月で乗らないと責日手当が出ないよ、又は一か月の間に最低でも22(隔日は11)は乗ってねと会社が言う日数。この辺の形式は会社によって違います。

もう一つ、けこちの会社では夜日勤をやるにはひと月当たり25勤務しなければいけない決まりになっています。上記に書いたように、うちの会社では22を切らないと有休を取ることができない会社なので、夜日勤をやっている限りいつまでたっても有休は使えない、休めないという仕組みになっています。収入を上げたい人はがんばって夜日勤をやりますが、色々思うところがあるのでしょう、個人タクシーに行く確率もかなり高いです。

そんな夜日勤の人にも毎年必ず5日間は有休を取れとは言っているので、働き方改革法で、2019年4月1日以降にすべての法人が対象となる従業員に対して、「毎年5日間の有給休暇を取得させることが義務付けられている制度」には違反していないようですが、それなりにきつい働き方になっていると思います。

班長について

女性というのは看板に使われることも多いので、班長になってほしいという話も出てくると思います。万が一班長になってほしいと言われた時、その給料形態と勤務時間を確認しましょう。参考までにけこちの会社での班長の勤務形態は以下の通りでした。

再度書きますが、お世話になったけこちの会社を貶める記事ではありません。あと、全ての会社がこの仕組みというわけではありません。ただ、これを読んだ誰かが正しい判断ができるように私の周りで運用されている事実を参考までに伝えます。

  • 内勤の際の給料は、直近の営業三か月の平均金額となる(乗務社員としての給料がベースで勤務形態も乗務社員のまま)
  • 運行管理者になるので当然運行管理者試験を受ける事になる
  • 一か月に25日出勤しないといけない
  • 内勤に入ったら有給は基本取れないと思え(というようなことを言われる)
  • 内勤(営業所勤務の他に本社、配車センター、お客様サービスセンターへの出向もある)をしなければいけない

まず一つ目、直近三ヶ月の売り上げから給料を割り出すということは、売り上げのきつい時期や、少し多めに有休を取ったりした月がその三か月の計算に入ると、給料は低くなる可能性が高くなるという事です。ということはいわゆる、内勤という職務に対する正当な金額的評価を得られないという事も意味します。

そこで古参班長達は何をやっていたかというと、高額のお金を使ってくれる予約客を我先にやろうとしたり、乗務の際に自分のお金を売上にブッこんで給料を上げるという事をしていた人もいます。

労働基準法では「午後10時から午前5時までの労働時間にあたる夜勤の労働には、通常の賃金の25%以上の割増賃金を支払う必要がある」と決まっているのですが、三か月の平均給料ですので、当然夜勤としての賃金は払われません。ベースは乗務社員だよね、ということです。

更に、三か月平均の給料が高くなる可能性が出てきてしまう夜日勤は乗務するなと言われます。

二つ目の運行管理試験は、法律面での視野が広がって勉強になることなので受けるのは良いと思います。ただ、持っていると内勤に入る流れになるので、将来個人タクシーを目指したい人は注意です。以下のページでも班長になることを説明しています。↓

あわせて読みたい
個人タクシーという個人事業主になるということ 不覚ながらけこち、ブログの更新が少し滞っていました。いくつかの原因があるのですが、一番大きな事、それは個人タクシーになるべく支部の勉強会に参加し始めたという...

三つ目の「一か月25勤務必須」は会社ごとに仕組みが違うかもしれませんので確認しましょう。乗務で稼ぎたい人はいくらでも出たいという人はいるでしょうが、これは内勤のお話。普段22で乗務している人も22の給料で三か月平均の給料を計算されると3日分安い給料で計算されることになるのであきらかに損です。※日割りで計算しているなら問題ないがそんな班長にはそこまで細かい給料の説明はされないし、大体において給料は低めになることが多いです。

四つ目の「内勤入ってるなら有休取るな、乗務の時に取れ」は、これも各会社で違うかもしれませんので確認しましょう。けこちの会社では班長が普通の扱いをされていないことの象徴でもあります。こんな対応だから頭のいい人は察して班長にならず、運行管理者の人数不足ゆえに内勤の人間が休めなくもなる、という悪循環なのです。

五つ目の出向による内勤業務は、純粋に非常に貴重な勉強の機会になるとは思います。ただ、勤務地や時間も選ぶのはなかなか難しい可能性のある出向先もあるでしょう。そこは確認です。先ほどのお話とダブりますが、内勤については正しく個人タクシーになるなら避けた方がいいことに変わりはありません。

会社は運行管理者を増やしたいので、乗務社員に班長になってほしいという話は結構頻繁に行います。会社に歯向かうタイプの乗務社員でなければ頻繁に声掛けは行っており、決してあなたが優秀だから声をかけているわけではないと思った方がいいです。特に他の一般企業などで社会の常識を経験していない新卒、労働基準法の知識もなく、従順な人(会社の言う事を素直に聞いてくれそうな人)を班長にしたいのだという事が予測できます。

今までの事を踏まえると、けこちの会社にとっての班長というのは結果的に「コスパの高い、安価で使い勝手の良い存在」という定義になります。先ほど、「乗務社員という働き方は非常にクリーンです」と言いましたが、けこちの会社では班長には当てはまるとはお世辞にも言えません。班長になれと言われた場合は上記のようなことがないかどうかを事前に確認し、自分の家庭環境で可能かどうかを判断しましょう。

ただ、万が一条件がけこちの会社のようであったとしても、会社に貢献したい、将来職員になりたい、社長を目指したい、いろんな経験がしたいということであればなるといいですし、そうでない人はならない方がいいということです。中には奉仕の精神が高く、喜んで班長をやっている人もいるのですから。

洗車について

これは比較的小さな要素に聞こえるので、入社するときにはちょっと聞きづらいかもしれません。無理なら会社に入ってからでも様子をうかがってみましょう。洗車をするタイミングはいつなのか、乗務が終わって書き込み納金の後に行うように洗車を強制させていないかどうかの確認です。(或いは会社ははっきり言わないで先輩社員がそれを習慣づけて暗黙の了解としていたりする)

そして、洗車と納金の為にみなしで残業代としてお金を発生させてくれる仕組みもあるので、そこにみなし残業の時間はあるのか、あるのであればどれくらいの時間なのかを確認してみましょう。みなしの時間以外は勤務時間外ですので会社に関するなんらかの作業をする義務はありません。

乗務が終わった後(カード書き込み、終業点呼、納金を終えた後のみなし残業時間経過後)の洗車は勤務時間外の作業なのでサービス残業です。洗車は仕事に使う会社の車をきれいにする作業なので勤務時間中にやるのが当たり前。しかしそれを勤務時間にさせず、やり方を強制するのはサービス残業の強要です。会社によっては残業時間を少なくするために「職人の様に道具をきれいにすることが大事だ」などと言って乗務社員のプライベートな時間を利用して洗車させる流れにするという悪しき慣習が残っていることもあるのでよく判断してください。細かいことですが、こういうところが不明瞭だとしたらその会社はコンプライアンスの意識が足りないかどうかの判断材料の一つと言えるかなと思います。

※ただし、会社の就業規則などで何らかの決まりがある場合もあるのでその辺も含めて確認しましょう

しかしこれがまた複雑で、勤務時間内に洗車時間をだらだら続けて残業代を稼ぐ輩がいるというのも会社も辛いところなんだと思います。本来は洗車をしている時間を監視して管理すればいいのでしょうが、そこまで法人タクシー会社はそこまで人を割けないし、細やかな対応ができないというところが現実でしょう。

あ、もちろん会社の車をきれいにする趣味の人は勤務時間以外にやっても構いません。また、洗車は自分のプライベートな時間に食い込んでもいいから売り上げを優先させたくてぎりぎりまで営業したい、というなら話は別です。そこはお好きになさるといいでしょう。

なるべく心が苦しくならなそうな会社に入る為にどうすればいいのか

けこちの会社や転職していった人、元々違う会社にいる人に聞いた話と、けこちの十年の経験をもとに、タクシー会社を選ぶにあたって気を付けることをまとめてみました。これはGoogleで検索ワードを工夫して調べるといろいろあると思いますので判断材料にしてください。

過去に問題を起こしたことのある会社かどうか

特に労働基準法系の何らかの話がないかどうか調べておきましょう。

会社特有の銀座のルールがないかどうか

銀座のルールはタクシーセンターが決めていますが、独特のルールを決めている会社があるようです。これが稼げないことにつながるものであれば、そういうものがない会社に入った方がいいですね。

投資ファンドの傘下に入った会社ではないかどうか

投資ファンドの傘下に入っているという事は、乗務社員の気持ちとか、生活とか、ワークライフバランスなんてのは関係なく働かされる傾向になると思われます。

それでもやはり一人で判断するのは心配だという方には転職エージェントを

このページをよく読み返していただければなんとなく答えを導き出せるのではないかと思いますが、やはりどこかに相談しながら慎重に転職に臨みたいという方には転職エージェントへ登録してみるのも良いと思いますのでいくつか挙げておきます。各サイトを見てみると、経験談が載っていたりしてイメージしやすいように工夫されているサイトもありますし、けこちの経験談を判断材料にしていただきながら色々見てみて下さい。

転職エージェントは紹介料で成り立つビジネスです。普通の人よりは業界の事情に精通しているとはいえ現場を知っている人がいるわけではないので、当記事に書かれている詳細な内部事情までは理解できないでしょう。過度な期待はせず、そういう仕組みを理解しながらうまく利用させてもらうというスタンスがいいと思います。

2025/01現在、転職エージェントで評判がいいのは

求人数40,000件越えの「ドラエバー

業界や企業ごとに専任のキャリアアドバイザーが存在する「プレックスジョブ

登録すれば求人のスカウトが受け取れたり、転職サポートも受けられる「クロスワーク

のようです。

他にも以下のようなタクシー専門の求人サイトもあります。

 転職道.com

 タクシー求人【タクQ】女性の無料転職支援サービス



参考にはなりませんが一応書いておきますと、けこちが10年前利用したのはen転職で出ていた求人広告です。2025/01ではタクシー会社の求人はあまり無いようです。当時はタクシーの事やタクシー会社の事をろくに調べもせずに面接を受けました。心理的には早く収入を上げたかったのです。

あとがき

一般的に転職したいと思った際には各法人タクシー会社サイトや各転職エージェントのサイトを見ると思いますが、けこちやけこちの仲間の経験談によって後悔のない転職をしていただきたいと思ってこの記事を書きました。タクシーの仕事自体はとても有意義なもので、将来個人事業主になる可能性も秘めた仕事です。事務の仕事をしているだけでは見えないことがタクシーでは見えてくるという面白さもあります。

最近けこちの周りでは他の会社に転職した結果、金銭面・精神面で改善された方が実際に居ますが、余計な転職で苦労をする人が少しでも減ってほしいという思いでこの記事を書きました。けこちの会社名は言えませんが、参考にしていただければ幸いです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次