【魅惑の70年代音楽】「カリブーランチって何??」Chicago

シカゴといえば皆さんはどんな連想をするのでしょうか?やはり「素直になれなくて」でしょうか?

私はシカゴの全部を聞いているわけではないのですが、1973年辺りのカリブーランチのシカゴに非常に強い魅力を感じています。メンバー全員が若くて生き生きしている。このあたりは全盛期だったようですね。

ということで今回はカリブーランチでのchicagoの魅力にスポットを当てます。
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目次

まず始めに、カリブーランチとは何なのか?

 Caribou_Ranch(wikipedia英語)

シカゴのプロデューサーだったジェイムズ・ウィリアム・ガルシオ(wikipedia英語)がロッキー山脈の牧場の納屋を改造して作った音楽スタジオの名称、またはその牧場そのものの名称のようです。なんと150を超えるビッグアーティストがこのカリブーランチのスタジオで録音しています。

シカゴ XI(1977)あたりで表面化し始めた金銭問題によるシカゴのガルシオ解雇を皮切りに、80年代半ばではスタジオビジネスが停滞し、85年には火事でスタジオを焼失し、カリブーランチの土地や、ビッグアーティストが使った楽器なども売りに出され、聞いているこちらが寂しくなってくるような終わりを迎えたようです。

その後のカリブーランチについてはいくらか動画があっています。ガルシオさん本人もなんか語ってるのがありますね。

ドキュメンタリーでメンバーが語ったカリブーランチについて

シカゴのドキュメンタリー「ザ・ヒストリー・オブ・シカゴ ナウ・モア・ザン・エヴァー」では、カリブーランチについてのエピソードが語られています。ドキュメンタリーではカリブーランチでの活動の映像を一部垣間見ることが出来ます。

 ザ・ヒストリー・オブ・シカゴ ナウ・モア・ザン・エヴァー → amazonで見る

自然の中で豊かな感受性をはぐくんでいたと思いきや、いろいろな意味でクリーンではなかったという事実が想像と全く違いました。

カリブーランチはシカゴの稼ぎからの搾取で作られていた

昔の音楽業界にはよくある話ですが、ディレクターのジェイムズ・ウィリアム・ガルシオはすべての売り上げの51%を自分の懐に入るように、(どこかで聞いたことあるなと思ったらあたしら法人タクシー乗務社員の売上も会社に半分取られてますねー!奇遇!)残りの49%をシカゴのメンバー7人で折半するように契約していたようで、このカリブーランチもほとんどシカゴから搾取されたお金から作られていたのだそうです。

ダニー・セラフィン
「僕の住居は90平米くらいのアパートなのに対してジムの牧場は3000エーカーだ。おかしくね?契約書再確認しようぜ」

出版権は100パーセント奪われていたけれど、メンバーは契約書にサインしていたので窃盗とは言えない。ガルシオ解雇のきっかけはこのタイミングだったようです。

カリブーランチではやりたい放題だった

「金を持っている男どもが複数人集まっているわけだから欲しいものは何でも取り寄せた。」主にドラッグの事のようです。警察のいないカリブーでは毎日乱痴気騒ぎだったそうです。

YouTubeで見ることが出来る「シカゴ・イン・ザ・ロッキーズ」

シカゴがロッキー山脈で活動する姿はアメリカのテレビ番組「シカゴ・イン・ザ・ロッキーズ」として記録されており、私たちがYouTubeで見れるのはこの「シカゴ・イン・ザ・ロッキーズ」の映像を持っている人が上げてくれている動画です。品質が悪いものが多いですが、公式に残っていないようなので贅沢は言えません。見れるだけでも感謝。

カリブーランチでのライブ映像から伝わってくるのがピーター・セテラのボーカルの輝き方がハンパないということ。ピーターが歌うだけで曲のクオリティーがぐっと上がるのがよくわかります。すごい人ですねこの人は。

↓ピーター・セテラ
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「シカゴ・イン・ザ・ロッキーズ」が一番効率よくまとめてあるのは下の三つの動画です。

実はガルシオ監督で映画も撮っている

この映画、ピーター・セテラ推しのように感じますし、ピーターは確かに画面映えしてます。アクションシーンを結構頑張ってます!内容は薄め(個人の感想)という印象だけどそんなのはいいんです。ファンなら見る価値あり。

グライド・イン・ブルー

カリブーの辺りの曲を聴けるアルバム

シカゴがこのスタジオで録音したアルバムは、シカゴ VI(1973)、シカゴ VII(1974)、シカゴ VIII(1975)、シカゴ X(1976)、シカゴ XI(1977)

アップルミュージックでは残念ながらすべてのアルバムがないようですが、このベスト盤ならいいところが押さえられますのでおススメです。

あとがき

私自身はカリブーの時期の曲、特にピーター・セテラの曲と声に魅力を感じてしまうのですが、それはもしかしたら女性だからかもしれません。「Baby, What a Big Surprise」や「Just You ‘N’ Me」などは現在の自分にとって最高レベルの好きな曲のような気がしています。政治や戦争に関する曲よりも、やはり愛に関する曲がぐっとくるわけです。

どの時代でも大きくヒットしやすいのはやはり愛を語る曲だと思うのですが、他のメンバーがやりたかったのはそうではなかった。ドキュメンタリーを見ると、思っていた以上にメンバーがそういう曲に抵抗感を持っていたのだという事がよくわかりました。

それと、どの時代にもある「極端な搾取」には気をつけましょう。

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