※アイキャッチ画像は”夢”のロケ地の一つ、安曇野の水車付近
黒澤明さんの作品を一気見したのはコロナによる休業の最中だったともいます。子供の頃の私の黒澤さんの作品に対するイメージは実はあまりよくないものでした。まだ中学生などの時に”影武者”か”乱”のCM、或いはそれらの作品の“〇曜ロードショー”的なテレビ放映のCMをテレビで見たのだと思います。馬や人をたくさん使ってこれでもかというほどに迫力を出している映像がなんだかしらけるというか
↓こういう感じ
まぁ私は恥ずかしながら音楽に夢中だったし、当時は“バックトゥーザフューチャー”や”グーニーズ”、”インディージョーンズ魔宮の伝説”など派手な映画を喜んで見ていた単純な子供でしたので黒澤作品を一切見ずに現代まで過ごして来てしまいました。
”隠し砦の三悪人”という映画は”スターウォーズ”に影響を与えたんだよと主人が教えてくれたので、実は”隠し砦の三悪人”から見始めてしまいました。そしてそのあとも名作はあるのだと見せられた”用心棒”と”椿三十郎”と見て、これは黒澤作品の最初から見ないといけないと思い、年代別に見始めたのです。
実は当時の私たちはアマゾンで一つ一つレンタル(一作品あたり400円)で見てしまった。2022年7月現在では黒澤作品をほぼ全て見放題にできるU-NEXTがおススメ。今なら「31日間無料トライアル」キャンペーン中です!
監督デビューから終戦まで
画面の端端から戦時中の雰囲気が伝わってくる。黒澤作品の初期の作品は画像の暗さもさることながらセリフが聞き取りづらいものが多いので、できれば字幕を付けてほしいものです。鑑賞する際には少しの想像力を働かせる必要があります。
姿三四郎(1943年)
GHQの検閲で上映禁止になってしまったり、短縮版にした際の抜けたエピソードのフィルムが戦後のどさくさで紛失してしまったりと大変な時代を超えて残った作品。シーンやセリフが脱落しているなどで冒頭にお詫びの字幕が付けられている。大河内傳次郎さん、藤田進さんが出演。そしてここからすでに黒澤映画レギュラーメンバーである志村喬さんが出演しています。
けこち的には庭の池に入ってじっと入る姿と表情が印象深かったです。
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一番美しく(1944年)
日本の戦時中の雰囲気を感じることが出来る作品。渡辺ツルが徹夜で未修正のレンズを探し出すシーンは、野麦峠の映画の様に具合悪くなって倒れないだろうかとこちらもドキドキ…。一眼のレンズを今まで以上に大切に扱わないといけないと思いました。安定の志村喬さん出演。
この主人公の矢口陽子さんはこの後間もなく黒澤さんの奥様になりました。
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予告がないので以下の説明動画を貼っておきます。
續姿三四郎(1945年)
黒澤さんは「あまり上出来の映画にならなかった」と言っていたようですが、確かに残念ながら私の場合あまり印象に残っていないです。
前作に引き続いて大河内傳次郎さんと藤田進さん、羅生門や白痴にも出ている森雅之さん出演。
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虎の尾を踏む男達(1945年製作 1952年公開)
本作はGHQの検閲により”反民主主義映画”の1本に選ばれ上映できなかったという作品。敗戦国ですから仕方ないとはいえ製作者としては相当ぎりぎりしたことでしょう。姿三四郎コンビの大河内傳次郎さんと藤田進さん、黒澤映画レギュラーメンバー志村喬さん、エノケンで知られる榎本健一さん、そして羅生門や白痴にも出ている森雅之さんが出演。
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終戦からの5年間
この頃の映画制作にあたっては、東宝争議という大規模な労働争議に振り回されたようです。東宝争議終結後は大映、新東宝、松竹などで作品作りを行っていきます。
わが青春に悔なし(1946年)
当時は小津安二郎監督の映画での美しく綺麗な原節子さんが泥だらけになって野良仕事をするというイメージがとても珍しいことだったそうです。藤田進、大河内傳次郎の姿三四郎コンビと黒澤映画レギュラーメンバー志村喬さんが出演。
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素晴らしき日曜日(1947年)
貧しさという悩みを抱えながらも、ほほえましいカップルの物語。劇中で映画を見ている観客が拍手を求められるという新たな試みによるシーンがある。
カップルの女性役である中北千枝子さんは、1969年から1986年まで“ニッセイのおばちゃん”だった方!けこちも小さいころからずっと見ていた人だったんですね。
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酔いどれ天使(1948年)
ここで初めて三船敏郎さんと千石規子さんが出始めます。志村喬さん、ニッセイのおばちゃんの中北千枝子さん、強烈な印象なのが笠置シヅ子さんのジャングルブギー(作詞:黒澤明)。そのシーンはBob Fosseの映画かと見間違える程の迫力。
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静かなる決闘(1949年)
何と決闘するのかと思いきや、「そういうことかぁ」となる。
主演は三船敏郎さん、お父さん役に志村喬さん、ニッセイのおばちゃんの中北千枝子さん、も出てますが、印象的なのは千石規子さんの役どころ。
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野良犬(1949年)
サスペンスもの。三船敏郎さん志村喬さん、味わい深い演技の千石規子さん、そして段々と知ってる人が増えてくる。ドラクエ大好き淡路惠子さん、初代黄門様の東野英治郎さん、「おじいちゃんが壊れてゆく」のキャッチコピーが衝撃的だった作品”花いちもんめ。”で知っていた千秋實さんがここで初めて出て来る。
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醜聞(1950年)
マスコミによる言葉の暴力に嫌悪感を抱いていた黒澤さんは早速そのテーマで作品にしたそう。当時はコンプライアンスの意識なんて皆無でしょうから今よりも人権を無視されるようなひどい時代だったと思います。冒頭のシーンで乗っているバイクはCABTON(キャブトン)。カッコいいですね。
三船敏郎さん、志村喬さん、千石規子さん、千秋實さん、ズビズバーの左卜全さんが出始める。後に羅生門に出演する上田吉二郎さんも出演。
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あまりこちらの映画の良い紹介動画がないので、関係ないけれど
参考:左卜全さんの“老人と子供のポルカ”
海外での評価が高くなる
日本ではいまいちな評価でも、国際社会では各地で受賞しまくります。
羅生門(1950年)
“羅生門”といえば学校で習った芥川龍之介。そこに黒澤さんのオリジナル要素をミックスしたような作品。
三船敏郎さん、森雅之さん、京マチ子さん、志村喬さん、千秋実さん、上田吉二郎さん、そして”七人の侍”に出演の加東大介さん、お母さん役や近所の主婦役で今後もやけによく出てくる本間文子さんが出演し始める。
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白痴(1951年)
道産子は見逃すわけにはいかない、北海道、主に札幌を舞台にした作品。青函連絡船の中で亀田と赤間が出会ったりもするし、昔の北海道の様子も少し感じることが出来て興味深い。森雅之さんによる純粋な心を持った白痴の人の演技が印象的。
原節子さん、三船敏郎さん、森雅之さん、志村喬さん、千秋実さん、千石規子さん、左卜全さんなど見慣れた名前がだんだん増えてきました。
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生きる(1952年)
自分の余命を知ったら人というものはどうするのか。この主人公はそれまで何となく行ってきた役所の仕事に対しての姿勢が変わりました。「ゴンドラの唄」を力なく歌いながらブランコをこぐシーンは有名。
志村喬さん、千秋実さん、左卜全さん、加東大介さん、渡辺篤さん、本間文子さん、ここで初めて出てくるのは”七人の侍”の藤原釜足さんと、“金子信雄の楽しい夕食”でけこちは知っていた金子信雄さん、「うらべくめこです、よ~」という鶴太郎ギャグで一時有名になった浦辺 粂子さん、私たちの世代でも知られる菅井きんさん、更に段々と知っている人が増えてきました。
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七人の侍(1954年)
百姓に雇われた七人の侍が野武士の襲撃から村を守るというストーリー。特に外国人はこの作品が好きなようで世界で人気の作品。マンダロリアンの監督はこの作品を参考にしたと言ってます。
七人の侍というのは志村喬さん、三船敏郎さん、木村功さん、稲葉義男さん、加東大介さん、千秋実さん、宮口精二さんの七人。
百姓側に藤原釜足さん、左卜全さん、本間文子さん、その他街の登場人物には渡辺篤さん、東野英治郎さん、上田吉二郎さん、仲代達矢さん、宇津井健さんなどが出演している。
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生きものの記録(1955年)
当時35歳で60歳の老人を演じた三船敏郎さんが、原水爆の恐怖から海外へ行こうとする物語。これも2022年を生きる私たちが見ると笑い事ではないのでは。
三船敏郎さん、志村喬さん、千秋実さん、東野英治郎さん、藤原釜足さん、左卜全さん、中村伸郎さん、本間文子さんが出演。
そして残念なことにこの作品を最後にして過去の主要な作品の音楽の担当であった早坂文雄さんがお亡くなりになってしまいます。
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蜘蛛巣城(1957年)
三船敏郎さんがその撮影後もその危険な撮影時の記憶に苦しめられたという有名な最後の矢のシーンが凄いのは有名ですが、佐藤勝さんによる音楽、能の様式美を取り入れたということでの俳優陣の独特の動きと表情、物の怪の狂気じみた喋り方、現れては消える霊体(というのか)、必死に手を洗う山田五十鈴さんの狂気じみた演技、権力に目がくらんで人を裏切るということ、そしてオープニングの歌にある、
「見よ妄執の城の址 魂魄に未だ住むごとし
それ執心の修羅の道 昔も今もかわりなし」
今、2022年、この現代に1957年に作られたこの映画の言葉が心に響きます。そしてこの蜘蛛巣城でやりきれなかったことが後の影武者や乱に繋がっていきます。
三船敏郎さん、初の出演で非常に印象的な演技の山田五十鈴さん、志村喬さん、千秋実さん、上田吉二郎さん、興味深いのが「刑事コロンボ」でコロンボの声をされていた小池朝雄さんが“都築の使武者B”という役で出演しているようです。けこちの観察力不足の為かちょっと発見できませんでしたが…。とにかく段々とよく出る人の名前が固定されてきてる感じになってきました。
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どん底(1957年)
「あこーんこーんこんちくしょう
あーこんこんちきしょうこんちきしょう」
一度歌うと脳内からなかなか抜けません。特にコロナの最中はこんちくしょうな状況でしたので余計です。野菜を刻みながら、或いはお風呂に入りながら、或いは仕事中自分の意志とは別に脳内で鳴り響いてしまいます。これぞまさにどん底の環境から生み出された真のグルーヴ。
三船敏郎さん、藤原釜足さん、東野英治郎さん、左卜全さん、渡辺篤さん、上田吉二郎さん、の常連に加え、蜘蛛巣城で印象深い演技だった山田五十鈴さん、純な娘役の香川京子さん、いただきますによく出ていたことで知っていた清川虹子さんが出演。
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隠し砦の三悪人(1958年)
言わずもがな、スターウォーズに影響を与えたことで有名な作品。
三船敏郎さん、千秋実さん、藤原釜足さんがメインの三人。祭りの踊りは日劇ダンシングチーム。
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黒澤プロダクション設立
主にお金の問題で「黒澤プロダクション」を設立。
悪い奴ほどよく眠る(1960年)
とても現代風の作品。モノクロ作品なのに2022年という現代のセンスに通じるものを感じます。サスペンスタッチ。
出演は三船敏郎さん、森雅之さん、香川京子さん、志村喬さん、二代目黄門様の西村晃さん、加藤武さん、藤原釜足さん、中村伸郎さん、藤田進さん、菅井きんさん、ここで初めて田中邦衛さん、と段々聞いたことのある名前が増えてきます
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用心棒
言わずと知れた黒澤明さんの有名な代表作。理屈抜きの娯楽映画とのこと。佐藤勝さんの音楽がワクワクします。
三船敏郎さん、仲代達矢さん、山田五十鈴さん、他にも知っている名前がもはや多数出てきます。
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椿三十郎(1962年)
用心棒の続編。セットで見ておきたい。これも佐藤勝さんの音楽が小気味いい。三十郎の素早い殺陣シーンやラストの血しぶきシーンが印象に残る。
メインキャストは三船敏郎さん、仲代達矢さん、加山雄三さん、常連である志村喬さん、藤原釜足さん、そして再び田中邦衛さんも出演。
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天国と地獄
前作とは打って変わったサスペンス仕立ての現代劇。煙突から色の付いた煙が出たとき、ランブルフィッシュはこの映画に対するオマージュだったのかなと思いました。アヘン窟のシーンは気味悪かったです。
メインは三船敏郎さん、仲代達矢さん、香川京子さん、その他にもよく出てる人多数。
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赤ひげ(1965年)
加山雄三さんがメインのイメージ。若者がいくつかの経験により人間的な成長をする物語。佐藤勝さんの音楽が厳か。
メインは三船敏郎さん、加山雄三さん、山崎努さん。私の一番印象に残ったのがまだ幼い頭師佳孝さんの死にそうな子供の演技。本当に怖かった。その迫真の演技が”どですかでん”に繋がるわけですね。
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どですかでん(1970年)
黒澤映画初のカラー作品で、黒澤さんの色の意識の高さが随所に目立つ。赤ひげで強烈な印象の死にそうな子供を演じた頭師佳孝さんが六ちゃんを演じている。六ちゃんが主人公と思いきや、この町のいろんな人のそれぞれのストーリー。初めてのカラー作品という事もあり、色の使い方の様々な工夫が面白い。そしてここでも具合の悪い子供が出てくる。私はその具合悪い子供のストーリーが一番印象に残っている。それと、武満徹さんの音楽が最高にいい。
江戸川区のごみ捨て場で撮影されたこの作品は興行的には失敗し、黒澤さんは多額の借金を背負う事になったそう。
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海外資本で作られる作品たち
1971年に黒澤さんは自宅風呂場で手首を切って自殺を図ったが命を取り留めた、という話を聞いた私はとても意外だと思いました。“世界の黒澤”などと言われた名監督が自殺未遂。「どですかでん」では興行的な失敗からの借金を背負う事になり、海外からのいくつかのオファーはありながらも映画作りに関するアメリカとのやり方の違いで頓挫、この頃はそんな出来事がいくつか重なっていたようです。こんな偉大な監督にもつらい時期があったのだという事は初めて知りました。
しかし、海外での評価が高い黒澤さんに作品を作る為の資金提供の話が出て再び作品を作り始めます。
デルスウザーラ(1975年)
残念ながらU-NEXTをはじめとしたすべての配信サイトで取り扱いのない作品ですが、ぜひたくさんの人に見てほしい素晴らしい作品。イサーク・シュワルツの鷲の歌も心に響きます。シベリアでの撮影はかなり過酷なものだったようです。
高額ですが、2022/06現在では中古のDVDを購入するしかありません。
どうしても手に入らない、購入が難しいという事であれば、下記のyoutubeで日本語字幕で見ることが出来ます。(これは一つの映画が二分割されています。フルで上がっている動画もありましたが、日本語訳がうまくいかなかったので日本語目当てならこの動画が2022年6月現在唯一の希望です)
この動画は貴重。デルスウ役のマキシマムムンズクさんが黒澤明さんへ誕生日のお祝いのメッセージを送る動画です。
影武者(1980年)
ジョージ・ルーカスさんのおかげで20世紀フォックスからの出資を得て制作され、当初は勝新太郎の降板騒動がありながらも27億円の配給収入を記録だそうです。私の子供の頃のあまりよくなかったイメージでいうところの「ただ派手に馬と人が人海戦術の様に走り回る」だけの映画ではなく、盗人だったけれど影武者となった男の心模様を描いた奥深い作品でした。
武田信玄と影武者は仲代達矢さん。この頃になると私たちの年代でも知っている人は多数出ています。常連俳優では志村喬さんと藤原釜足さんが出演。
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↓この特報映像では勝新太郎さんで作られてます。
乱(1985年)
26億円もの製作費が投じられたけれど、興行収入は16億円だったそう。影武者は”乱”の為の下準備のような作品だったそうで。
主な出演者は、仲代達矢さん主演で寺尾聰さん、根津甚八さん、隆大介さん、原田美枝子さん、宮崎美子さん、野村武司(野村萬斎)さん、井川比佐志さん、ピーターさん。
仲代達矢さんの燃え盛る城から出てくる命がけの演技はもう何も言う事はありませんが、印象的なのは若い頃の野村萬斎さんの演技。とても心に残りました。そして私が驚いたのは、井川比佐志さんが馬を激しく乗り回している姿。私はそれまで刑事とかサラリーマンのおやじ風キャラ(まったく失礼)というイメージだったので、ちょっと見る目が変わりました。
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この頃になるとかなり近い過去ですので、いろんな映像が残っているようでYouTubeで色々見ることが出来ます。その中でも印象的なのが、隆大介さんに30回ダメ出しするメイキング映像。これはキツイです。
晩年期
それまでの戦国時代劇はなりを潜め、より深い人間ドラマを描くようになってきました。
夢(1990年)
短編作品がいくつか集まって作られた作品。皆さんキツネの嫁入りや水車のシーンなどの綺麗なシーンをよかったとおっしゃる方が多いように見えますが、私が印象に残ったのはトンネルのお話です。どですかでんの六ちゃん役である頭師佳孝さん、その青いメークは赤ひげで演じた瀕死の子供を演じたことを思い出します。それと同時に戦争の悲惨さをひしひしと感じさせます。
出演者はもう若い人でも知っている人が多いと思います。変わった配役で面白いのがマーティン・スコセッシ監督が出ています。
そしてどうしても”ルビーの指輪”をベストテンで歌っている寺尾聡さんの姿が湧いてくる自分がいるのでした。
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八月の狂詩曲(1991年)
子供達とおばあちゃんのひと夏の物語。原爆の経験によるおばあちゃんの心模様とそれを感じていく子供たちの心模様を描いている。
野ばらが流れる時のシーン、高齢の村瀬幸子さんにとってはかなりハードだったことでしょう。演技にかなり何度もダメだしされて井川比佐志さんになだめられている動画も見たことあります。厳しいですね。
主役は村瀬幸子さん、われらが純ちゃんの吉岡秀隆さん、パパはニュースキャスターで印象的だった鈴木美恵さん、”夢”でも狐の嫁入りのお話で出演していた伊崎充則さん、井川比佐志さん、根岸季衣さん、河原崎長一郎さん、リチャード・ギアさん、昔から出ていた人としては本間文子さん、堺左千夫さんといったところでしょうか。
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まあだだよ(1993年)
おだやかで心温まる人間ドラマ。所ジョージさんが出ているのが現代らしさを感じる。
主演は”どですかでん”で結構嫌な役回りをしていた松村達雄さん、香川京子さん、井川比佐志さん、所ジョージさん、油井昌由樹さん、寺尾聰さん、日下武史さん、小林亜星さん、頭師孝雄さん、吉岡秀隆さん、岡本信人さんなど現代の私たちでも知っている名前がずらり。
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黒澤映画の音楽
黒澤映画の音楽で製品化されているのはやはり海外で派手に評価のされる映画の音楽が多い。さすがにアップルミュージックでも充実しているとは言い難いですが、ないわけではないので一応ピックアップしておきましょう。
「羅生門」と「七人の侍」からの選曲。海外のアルバムらしいピックアップ。作曲者は早坂文雄さん。
武満徹さんによる作曲、「乱」のサントラ。これも海外のアルバムのようです。
初期の作品群と、晩年の作品「八月の狂詩曲」から「野ばら」が入っているので黒澤作品をまんべんなく押さえておきたい場合はこのアルバムがおススメ。けこちは本当はこのアルバムが欲しいなと思っていますが、2022/6現在では値段はかなり高額になっています。
これはけこちも持っているCDです。早坂文雄、武満徹、佐藤勝、イサーク・シュワルツらによる、有名で聞きやすい曲を一番聞きやすい形で収録されているアルバムでおススメです。2022/6時点では在庫薄な上に値段が高騰中。
まとめ
黒澤さんの映画は海外で評価されている割に日本での評価はそれほど高くはないように思います。当時の日本人は、厳しい状況でも生きる中にある純粋な輝きのような尊さよりも、「どん底」や「どですかでん」の物語の中に出てくる底辺の様に見える日本の生活の様子を直視できない感覚があったのかなとけこちは個人的に想像します。
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黒澤映画を一気見するならU-NEXTがお得です。
是非監督デビュー作品から順番に見てみて下さい。デジタルなどという概念は全くない時代にどのようにして作ったのかも想像しながら。