函館では毎年8月の初めに「函館港まつり」というものが開催されます。
↓「函館港まつり」公式ページ
函館港まつりオフィシャルサイト
花火、パレードでだいたい一週間くらいは函館の街が祭りムードになります。
そのお祭りであらかじめ知っておくと更に楽しくなる音楽、函館港まつりで使われる函館の音頭を今回は紹介しましょう。併せて函館市民に昔から親しまれている音楽も紹介しちゃいます。
現在の港まつりで大々的に流されるのは「いか踊り」
この時期に限り、電車を電飾で飾った花電車というものが街の中を走ります。
この港まつりではだいたいいつも初日あたりに花火大会が開催され、「ワッショイはこだて」(昔の呼び名でいうと「一万人パレード」)というものがありまして、西部地区・函館駅前の大門大通りを大胆に通行止めにして市民が集まって踊りながら練り歩きます。小さいけこちは普段は車しか通れない大きな道路をたくさんの人が歩いちゃうという事だけで興奮していました。時々現れる着ぐるみの人に握手してもらうのをワクワクしながら待っていたものです。
現代におけるこのイベントで主に使われる音源、それは「いか踊り」です。
この上のバージョンは新しいバージョンです。現在のわっしょい函館で使われているのはこのビートが強めのバージョンだろうと思います。この曲が電車(1号車から13号車以上あったか)から大音量で流されます。
振り付けは非常に簡単で、老若男女だれでもすぐに踊れます。五稜郭タワー公式イメージキャラクターであるGO太くんの動画で見てみましょう。GO太くんは後半踊る気がなくなっているようですが、十字街から松風町までこのテンションで踊っていけば松風町あたりでこういう気持ちになるのかもしれませんね。
けこちが持っているオリジナル音源はyoutubeにないようですが、以下の記事を読むとこの初期のバージョンは演奏がクリエイションだと!?まさか。
いか踊り作曲 函館の旅で 音楽プロデューサーあきらさん
残念ながらあきらさんはまだお若いのに2016年に亡くなってしまいました。あの煽りを聴けなくて残念に思う人は多いでしょうね。
けこちがまだキッズだった頃、様々な練り歩きグループの一番最後に「自由参加」というプラカードが出てきて、そのグループにはその辺で見ていた人たちが自由に参加できました。けこちの記憶によればその自由参加のグループの電車に乗っていたのが作曲者本人である高橋徹(あきら)さんだったはず。「い・く・ぜ、い・く・ぜ、い・く・ぜ!!」と言いながらみんなを煽り、練り歩くわけです。
とにかくこのあきらさんの煽りがすごかった。だから自由参加のグループに入る人が多かったんだと思います。現代でも一番最後は自由参加なので、昔から知っている人たちは出発地点である十字街近辺で待機し、最後のグループである自由参加のプラカードが出てきた瞬間に満を持して飛び入り参加し踊りだすという流れになっています。
というか、初期の頃はこの自由参加プラカードのグループだけが唯一いか踊りだったような気がしますが…ごめんなさいそこはうろ覚え。
この文章を見ている皆さんも何の手続きもなしに思い思いの格好で思い付きで飛び入り参加できるわけです。
※自由参加については最新の情報を確認するようにしてください。途中参加はNGで、出発地点の集合場所からの参加のみ可能のようです。
地域の盆踊りで踊ってきた函館伝統の音頭
前述のいか踊りという新たなムーブメントも悪くないのですが、小学生の時からの「想い」で言うとけこちは昔ながらの音頭が好きです。けこち的には本当は港まつりでこの音頭の練り歩き率がもう少し欲しい。その様子を沿道に椅子を出してただ眺めるだけというのが小さいころから好きでした。けこちと同年代の方は結構そういう方多いのではないでしょうか。ボーニモリヤの皆さん、地元の銀行や企業の皆さんなど、普段はまじめにお仕事されている人たちが盆踊りを踊っているんだなと思うと子供ながらに微笑ましい事だなと思っていたわけです。
みなさんの地域でもだいたい夏になると盆踊り大会が開かれますね。その盆踊り大会の思い出もこれらの音頭がもたらします。けこちも小学生の頃、近所のスーパーの駐車場へ行き、張り切って夜九時まで踊り、最後まで参加した人に配られるお菓子をもらって嬉々として帰ったものです。学校という場所では昼間にしか見たことのない友達と夜暗くなるまで一緒にいられるのが何か特別な事をしているようでとてもワクワクしたものでした。
この音頭、どこで手に入れればわからなかったので、90年代の後半のどこかで直接函館市役所にけこちお得意の突撃問い合わせをした際、市役所の方がCDに焼いて送ってくれたのでした。もう昔の事でお名前や部署の紙は紛失したか倉庫にCDと一緒に保管されていると思いますが、その温かい対応にけこちは非常に感動し、心から感謝したのを覚えています。
もちろんけこちのipodに全て入っていますが、そのあと中古レコード店さんの「PLUS1」(さいかデパートかWakoデパートの中にあったレコード屋さんだったと思います)による函館の音頭が複数曲入った自主製作CDが売られました。もちろんけこちは速攻買いましたが、残念ながらそのCDはもう簡単に手に入れられるようなレベルのものではありません。
現代ではいくつかの主な曲をyoutubeで上げて下さっている方がいます。本当に幸せな時代。全曲ではないですが、けこちの年代ではおそらく以下の三曲さえあればほぼ満足可能です。
振り付けはそれこそyoutubeで色んな祭り動画が上がっているのでたくさん出てきますが、知らなくても見よう見まねですぐに踊れるのが盆踊りの良いところ。
函館音頭 北島三郎
我ら函館市民の星、北島三郎さんの函館音頭はのっけから「どーんどーんどーん」から始まりますので勢いがありますしテンポもコード進行も軽快で明るい。
サージェントペパーズの発売から約一か月後の1967年07月10日発売。鈴木正忠作詩/星野哲郎補作詩、米山正夫作曲/小杉仁三編曲
↓振り付け動画
思い出した。手ぬぐい(当時は先端に鈴をつけたものがよく使われていたような)があった方がいいんだ。
函館港踊り 明石光司
夏祭りで踊る曲と言えば最初に思い浮かぶのがコレ!もう気になるワード満載の音頭。「やれコラショって何?何が浮いたのかな?やっこらせのせ??」など、小学生のけこちには謎だらけの不思議な曲でした。唯一しっかり脳内に入ってきたワードは「北洋漁業」でしたが。当時は配られていたうちわの裏に振り付けが描かれていたはず。
検索しても情報はあまり出てこないけれど、昭和9年の函館大火の後に第一回の港まつりというのは開催されるにあたり、昭和10年頃にレコード化されたようです。
ボーカル明石光司(長田幹彦作詞、中山晋平作曲)なんと作曲者は東京音頭を作ったお方。
↓振り付け動画
いいんでないかい 佐々木基晴
「いいんでないかい」とは「いいんじゃないですか」という意味です。函館音頭や函館港踊りに比べるとちょっと現代的な音に聞こえました。それもそのはず、1982年発売です。ボーカルは江差追分等の日本民謡の大御所、佐々木基晴さん。ちなみに巴音頭という曲も歌われていますが、この曲は私たち80年代キッズは聞いたことないはずですので割愛。
↓振り付け動画
鳥(港町ならではのかもめかな?)が飛ぶようなしぐさと両腰に手を当てるしぐさがポイント。
函館賛歌
これは音頭ではありませんが、函館の市歌です。「函館賛歌」は函館市のホームページで聴くことができます
函館市ホームページ はこだて賛歌の普及・啓発
現函館市民はあまり思わないかもしれませんが、遠い土地に住んでいる「故郷が函館の人間」にとってはこのイントロ部分を聴くとわくわくするはずです。余計なことをせずこの古い音源のままをしっかり保ち、守っていってほしい。
小学校の頃は、当時の6番チャンネル(HTBか?)で平日の午前中、番組と番組の合間に函館の街並みの映像と共に流されていて、風邪で休んだ時や夏休みにけこちは恍惚状態で聴いていました。(我が街の映像とこの歌が流れるのが大好きだった)全くないわけではありませんでしたが、めったに学校で歌うなどという事はなかったと思います。
↓こういうローカルな雰囲気の時にかかっていた
現代の函館ではごみ収集車がこの曲を流しながらごみ回収しています。
↓市電でも使われている。
あとがき
探してみると意外にも音源はそんなに数多くは上がっていないものですね。函館市役所でもそんなに種類を上げていない。そのうちけこちが過去に市役所からいただいた音源を再び函館に還元するため、そして函館の音楽の拡散を願ってyoutubeに上げられたらいいなと思っています。
夏の予定を迷っている方、是非8月に函館に行ってみて下さいね!
ちなみに北海道に行くならけこちも頻繁に使う楽天トラベルがおススメ。ポイントを利用してホテル代を安くして楽しんでます。