函館地元民がよく聴いてきた函館の音頭と函館賛歌

函館港まつりと音楽

函館では毎年8月の初めに「函館港まつり」というものが開催されます。

↓「函館港まつり」公式ページ
 函館港まつりオフィシャルサイト

函館港まつりホームページ

 

花火、パレードでだいたい一週間くらいは函館の街が祭りムードになります。この記事では、そのお祭りであらかじめ知っておくと更に楽しくなる音楽、函館港まつりで使われる函館の音頭を今回は紹介しましょう。併せて函館市民に昔から親しまれている音楽も紹介しちゃいます。

 

↓函館で熱気を直に感じてほしいところですが、なかなか行けないという方に…最近ではYoutubeライブで見ることもできます。

個人的には2025年のイベントの1つであった、「護衛艦護衛艦『きりしま』一般公開」なんかは見に行ってみたかった…。

 

目次

現在の港まつりで大々的に流されるのは「いか踊り」

この時期に限り、電車を電飾で飾った花電車というものが街の中を走ります。

 

この港まつりではだいたいいつも初日あたりに花火大会が開催され、「ワッショイはこだて」(昔の呼び名でいうと「一万人パレード」)というものがありまして、西部地区・函館駅前の大門大通りを大胆に通行止めにして市民が集まって踊りながら練り歩きます。小さいけこちは普段は車しか通れない大きな道路をたくさんの人が歩いちゃうという事だけで興奮していました。時々現れる着ぐるみの人に握手してもらうのをワクワクしながら待っていたものです。

現代におけるこのイベントで主に使われる音源、それは「いか踊り」です。

 

 

この上のバージョンは新しいバージョンです。現在のわっしょい函館で使われているのはこのビートが強めのバージョンだろうと思います。この曲が電車(1号車から13号車以上あったか)から大音量で流されます。

振り付けは非常に簡単で、老若男女だれでもすぐに踊れます。五稜郭タワー公式イメージキャラクターであるGO太くんの動画で見てみましょう。GO太くんは後半踊る気がなくなっているようですが、十字街から松風町までこのテンションで踊っていけば松風町あたりでこういう気持ちになるのかもしれませんね。

 

 

けこちが持っているオリジナル音源はYoutubeにないようですが、以下の記事を読むとこの初期のバージョンは演奏がクリエイションだと!?まさか。

 いか踊り作曲 函館の旅で 音楽プロデューサーあきらさん

残念ながらあきらさんはまだお若いのに2016年に亡くなってしまいました。あの煽りを聴けなくて残念に思う人は多いでしょうね。

 いか踊り作曲 高橋徹さん死去

けこちがまだキッズだった頃、様々な練り歩きグループの一番最後に「自由参加」というプラカードが出てきて、そのグループにはその辺で見ていた人たちが自由に参加できました。けこちの記憶によればその自由参加のグループの電車に乗っていたのが作曲者本人である高橋徹(あきら)さんだったはず。「い・く・ぜ、い・く・ぜ、い・く・ぜ!!」と言いながらみんなを煽り、練り歩くわけです。

とにかくこのあきらさんの煽りがすごかった。だから自由参加のグループに入る人が多かったんだと思います。現代でも一番最後の5号車は自由参加なので、昔から知っている人たちは出発地点である十字街近辺で待機し、最後のグループである自由参加のプラカードが出てきた瞬間に満を持して飛び入り参加し踊りだすという流れになっています。

↓Youtubeで記録に残されているあきらさんの煽り。ウエーブも凄い。

 

というか、初期の頃はこの自由参加プラカードのグループだけが唯一いか踊りだったような気がしますが…ごめんなさいそこはうろ覚え。

 

毎年出発地点である十字街界隈で自由参加のグループに参加する皆さん(知らない人だけど毎年いらっしゃいます)

毎年出発地点である十字街界隈で自由参加のグループに参加する皆さん(知らない人だけど毎年いらっしゃいます)

 

この文章を見ている皆さんも何の手続きもなしに思い思いの格好で思い付きで飛び入り参加できるわけです。毎年どんどん人数が多くなってきて、もはやものすごいムーブメントになっているのを感じています。

※自由参加については最新の情報を確認するようにしてくださいね!途中参加はNGで、出発地点の集合場所からの参加のみ可能のようです。

地域の盆踊りで踊ってきた函館伝統の音頭

前述のいか踊りという新たなムーブメントも悪くないのですが、小学生の時からの「想い」で言うとけこちは昔ながらの音頭が好きです。けこち的には本当は港まつりでこの音頭の練り歩き率がもう少し欲しい。その様子を沿道に椅子を出してただ眺めるだけというのが小さいころから好きでした。けこちと同年代の方は結構そういう方多いのではないでしょうか。ボーニモリヤの皆さん、地元の銀行や企業の皆さんなど、普段はまじめにお仕事されている人たちが盆踊りを踊っているんだなと思うと子供ながらに微笑ましい事だなと思っていたわけです。

みなさんの地域でもだいたい夏になると盆踊り大会が開かれますね。その盆踊り大会の思い出もこれらの音頭がもたらします。けこちも小学生の頃、近所のスーパーの駐車場へ行き、張り切って夜九時まで踊り、最後まで参加した人に配られるお菓子をもらって嬉々として帰ったものです。学校という場所では昼間にしか見たことのない友達と夜暗くなるまで一緒にいられるのが何か特別な事をしているようでとてもワクワクしたものでした。

この音頭、どこで手に入れればわからなかったので、90年代の後半のどこかで直接函館市役所にけこちお得意の突撃問い合わせをした際、市役所の方がCDに焼いて送ってくれたのでした。もう昔の事でお名前や部署の紙は紛失したか倉庫にCDと一緒に保管されていると思いますが、その温かい対応にけこちは非常に感動し、心から感謝したのを覚えています。

もちろんけこちのipodに全て入っていますが、そのあと中古レコード店さんの「PLUS1」(さいかデパートかWakoデパートの中にあったレコード屋さんだったと思います)による函館の音頭が複数曲入った自主製作CDが売られました。もちろんけこちは速攻買いましたが、残念ながらそのCDはもう簡単に手に入れられるようなレベルのものではありません。

 中古レコード店「PLUS1」港まつりの曲集めCD製作

現代ではいくつかの主な曲をyoutubeで上げて下さっている方がいます。本当に幸せな時代。全曲ではないですが、けこちの年代ではおそらく以下の三曲さえあればほぼ満足可能です。

振り付けはそれこそyoutubeで色んな祭り動画が上がっているのでたくさん出てきますが、知らなくても見よう見まねですぐに踊れるのが盆踊りの良いところ。

函館音頭 北島三郎

サージェントペパーズの発売から約一か月後の1967年07月10日発売。鈴木正忠作詩/星野哲郎補作詩、米山正夫作曲/小杉仁三編曲

↓振り付け動画

函館港踊り 明石光司

検索しても情報はあまり出てこないけれど、昭和9年の函館大火の後に第一回の港まつりというのは開催されるにあたり、昭和10年頃にレコード化されたようです。

ボーカル明石光司(長田幹彦作詞、中山晋平作曲)なんと作曲者は東京音頭を作ったお方。

↓振り付け動画

いいんでないかい 佐々木基晴

↓振り付け動画

鳥(港町ならではのかもめかな?)が飛ぶようなしぐさと両腰に手を当てるしぐさがポイント。

2025年、新しく加わった音頭 GLAYのTERUさんによる「ワッショイはこだて」

毎年、実家にクーラーがないことを理由に港まつりの時期に帰れないけこち…2025年の夏は東京のテレビでライブ配信を見ました。そしたらなんと新しい音頭が生まれていたのであります!!

最近函館で美術の活動をされているというGLAYのTERUさんによる作詞・作曲の「ワッショイはこだて」という曲です。TERUさんはけこちと同い年ですので、お互い聞いてきた函館の音頭は恐らくほぼ同じものが魂に刻み込まれているはずであり、それを見事に消化吸収して新しい音頭に昇華させています。

↓振り付けもシンプルに紹介されているので是非動画を見てみて下さい。これは街の盆踊り大会でも子供たちは楽しく踊れそうですぞ。

同じ北海道でも「北海盆踊り」ではなく、独自の文化となっている函館

昭和9年の大火が函館港まつりの誕生のきっかけだったこともあるのか、北海道の他の地域でよく盆踊りの曲として聞かれる「北海盆唄」や「子供盆おどり唄」は函館では使用されません。

「北海盆唄」はドリフのイメージしかないですし、「子供盆おどり唄」にいたっては水曜どうでしょうで大泉さんが少し口ずさんだので知ったくらいで…。この下の動画のタイトルには「北海道民は絶対知っている」と書かれていますが、盆踊りに使われない曲なので函館の人はまずなじみがないはずです。

 

ただ、色々調べている間に知った、「子供盆おどり唄」についての「しゃんこorちゃんこ問題」というのがあって個人的に面白かったです。

 

 

「子供盆おどり唄」はアマゾンなどで一般的に購入することができます。凄いですね。やはり昔ながらの音源を受け継いでいくというのは、同じ地域に育った人たちの世代を超えた絆をはぐくむという意味でも大切だなと感じます。

函館賛歌

これは音頭ではありませんが、函館の市歌です。「函館賛歌」は函館市のホームページで聴くことができます
 函館市ホームページ はこだて賛歌の普及・啓発

現函館市民はあまり思わないかもしれませんが、遠い土地に住んでいる「故郷が函館の人間」にとってはこのイントロ部分を聴くとわくわくするはずです。余計なことをせずこの古い音源のままをしっかり保ち、守っていってほしい。

小学校の頃は、当時の6番チャンネル(HTBか?)で平日の午前中、番組と番組の合間に函館の街並みの映像と共に流されていて、風邪で休んだ時や夏休みにけこちは恍惚状態で聴いていました。(我が街の映像とこの歌が流れるのが大好きだった)全くないわけではありませんでしたが、めったに学校で歌うなどという事はなかったと思います。

↓こういうローカルな雰囲気の時にかかっていた

現代の函館ではごみ収集車がこの曲を流しながらごみ回収しています。

↓市電でも使われている。

あとがき

探してみると意外にも音源はそんなに数多くは上がっていないものですね。函館市役所さん自体もそんなに種類を上げていないのですが、権利の問題でなかなか難しいのかもしれないですね。函館の素晴らしい音楽の拡散のためにも可能な限りyoutubeに上げていただきたいなと思っています。

夏の予定を迷っている方、是非8月に函館に行ってみて下さいね!

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