未知の世界、タクシー乗務社員への転職

2020～22年にかけたコロナ渦では、たくさんの人たちが職を失って街中でインタビューを受けている映像を見ました。自殺してしまう人も少なくない中、苦しい人たちが自分の職業の紹介によって救われればいいなという気持ちになった事がこの記事を書くきっかけでした。

コロナ前、タクシー乗務社員という職業はそれなりに稼げる職業であり、かくいう私も母子家庭でありながら収入を上げることができたのでここまでやってこれました。しかしコロナ後の世界で影響を受けたことは人が外を出歩かなくなったことによる客足の低下。

【通勤客がいなくなる→オフィス街に人がいなくなる→夜出歩く人もいなくなる】

タクシーは大きな影響を受けました。しかし、ゼロにはなりませんでした。

コロナ渦では巣ごもり需要に応えられる職業が強かったようですが、外を走り回るタクシーは巣ごもり需要ではありませんので営業的にきつかったのは事実。しかしながらこのタクシーというお仕事が世の中からなくなると困る人がいます。

タクシーは困っている人のお役に立ててやりがいのある、ほんの少し自由で、運転する楽しみを味わえる仕事です。そしてなんといっても条件がそろえば個人事業主にもなれる、将来更に未来が広がる可能性のある職業です。

車を運転することが好きなら、接客に自信がなくても大丈夫です。まずは就職先として候補を挙げる際、考慮すべき部分を考えてみましょう。現在住むところに困っている方には寮がある会社もあります。お子さんがいらっしゃる方には提携保育園を利用できる会社もあります。自転車、バイクで通勤できる会社もあります。

気になるタクシーのお給料

給料に係わるお話なので、参考までに少しだけ私の話をします。

私は当時母子家庭で稼がないといけませんでした。特に40代ともなると何らかのキャリアがない限り職の幅はぐっと厳しく、狭まりますね。事務職の派遣や業務委託の事務職では給料に限界があります。働きたくても会社が休みの日は働けない、残業も認められなければできない、手取りで20万前後しかもらえない上に休むと手取りは減る。お金は常に不足気味、なので副業として土日は撮影の仕事をやっていたのですが今度は自分自身の休息時間がなくなります。ハードな撮影と現像作業で月曜日に疲れ果てて事務仕事を休んでしまう事もありました。

しかしタクシーをやってからというものけこちのお給料は事務の時の二倍になりました。休みをしっかり休めて、副業をしなくても生活ができるようになりました。昼日勤でもこうなので、隔日勤務や夜日勤の場合はもっと金額多くもらえると思います。

給料は勤務形態やその人の仕事の仕方が様々なので、給料もピンキリです。人の給料というのはなかなか聞けないけど、先日たまたま知り合いの人に見せてもらった隔日勤務の方のある月の給料明細は手取り70万でした。会社の親しい夜日勤の人は年収700万以上だと言っていました。やりようによって給料は良くも悪くもなると思います。

ちなみに現在のけこちは結婚もして子育ても終わり、何といっても個人タクシーを目指しているので、営業の力を抜き、最低限の時間と日数しか乗らないようにしています。ゆえに給料は低め。個人タクシーになったら売り上げの半分を取られることもなくなるので、目先の売上より安全運転に全力を注いでいます。

会社によって給料体系(足きりという概念もありますし)は違いますが、だいたいにおいてこの業界、売り上げの半分が給料というのを目安にしていいのではないかと思います。

例）　昼日勤で　25,000円×22日　だと　550,000円　給料は　275,000円

昼の場合だとこれは大体合ってます。けこちは昼日勤しかやらないのではっきりとは言えませんが、夜日勤と隔日勤務だと夜の需要が入るのでもっと収入は上がると予測できます。

ライフスタイルに合わせた働き方ができるタクシー

タクシーの勤務形態は大まかに以下の三つ、ざっくりわかりやすい言葉で説明しますと

例えば…
小さなお子さんがいる、家族を介護する　→　昼日勤を選択
自宅が遠いので毎日出勤したくない　→　隔日勤務を選択
夜でしっかり稼ぎたい　→　夜日勤を選択

などの様にライフスタイルに合わせて勤務形態を選択することができます。

2023年現在はアプリによる配車が非常に重要になってくるので、「どの会社がどのアプリを採用しているのか」というアプリの情報も一緒に記載しました。

※アプリは事業者が流動的に変える場合があるので、最終的に最新の情報は各社のホームページで確認してください。

それでは以下、2021年1月現在の各社のホームページでオープンになっている募集要項を見ていきましょう。ここで取り上げさせて頂いた会社は実際に都内で乗務社員をする私が、この会社なら安心して転職できそうかなと思った会社を独断でピックアップしました。東京には他にも様々な会社があります。

詳細は応募する際に確認しましょう。記載した応募内容はただ引用するだけでなく、比較しやすいように簡略してありますがもちろん改竄はしていませんが、いつ条件が変わるかわからないので最終的に最新の情報は各社ホームページをチェックしてみて下さいね。

私自身東京23区で働いているので、東京23区・武蔵野市・三鷹の営業エリアで働くタクシーを中心にしたお話をしていきます。

東京23区・武蔵野・三鷹エリアの代表的なタクシー会社

東京のタクシーの歴史というものは実は各社それぞれ100年前後にわたって培われてきたものです。戦争を潜り抜けてきた、打たれ強い業界。

簡単に言うと敗戦時GHQにより、東京にたくさんタクシー会社あるからまとめなさいということでできたのが現在の東京4社タクシーだそうで、これがいわゆる現在の東京の代表的な大手会社です。23区内で就職先として選ぶなら安心の大手と言えるでしょう。

東京四社とは以下の四社

大和自動車交通株式会社
日本交通株式会社
帝都自動車
国際自動車株式会社

↑頭文字を取って『大日本帝国』とよくネタとして言われています。

一時は黄色い四社チケット(以下4チケ)を持っている人が4チケで優先的に選んで乗ってもらえるというのが営業的に中小タクシー企業よりも有利な立場でしたが現在はカード会社のチケットが使われることが多くなりました。乗務社員の印象ではチケットでは営業上特に優位性はないように思えるとの声がよく聞こえてきますが、四社それぞれのアプリはなかなか強いものを持っていますし、専用乗り場の充実さで営業面で有利なのは間違いないでしょう。

※以下四社はあいうえお順での紹介

 

国際自動車株式会社

出典：国際自動車株式会社

日本交通と並ぶ大手、国際自動車。
KOKUSAI MOTORCARS、略してkmという文字が行燈に書かれています。
夜の行燈は黄緑色。

アプリはkm専用アプリとS.RIDE、そしてなんといっても唯一特殊なのがフルクルというアプリで、乗車したい側はフルクルアプリをインストールし、アプリを起動させケータイをケータイを振るとkmタクシーが寄ってくるというユニークなサービスを提供しています。
専用乗り場は都内オフィスビルや病院デパートなど24か所。

注目すべき点としては勤務時間に昼日勤があること。これは子育て中の家庭(特に女性が比較的選びたくなる)に助かる時間帯です。

ただし、保育園などの送り迎えがある方はあまりに出勤時間が朝早いと保育園が開いていないこともあるかも。身近にヘルプしてくれる方が必要かもしれません。

日本交通株式会社

出典：日本交通株式会社

東京では名実ともにトップクラスの大手、日本交通株式会社。
行燈は桜のマークにNの文字
代表取締役会長は川鍋一朗さんというタクシーハイヤー協会会長も務めていらっしゃる上、政界にも通じていると巷でいわれている方。
業界でも力を持っている会社と言えるでしょう。

配車アプリは業界でも先駆けて開発リリースされたJapanTaxiが運営するアプリ「JapanTaxi」とDeNAのアプリ「MOV」を統合した「 GO《ゴー》 」
都内の専用乗り場は森ビル系オフィス、有名大学病院、など、売り上げに役に立つ場所を40か所以上設置。森ビル系を押さえられているのは大きい。

大和自動車交通株式会社

出典：大和自動車交通株式会社

緑色に光る行燈に大和の文字。
アプリは自社アプリとS.RIDE。

専用乗り場についてはサイトに記載はなく、グループ会社のホームページに芝パークビル一か所だけが大和専用乗り場として紹介されていました。webで検索しても明確な場所が出てこないので不明です。勤務地に西東京がいくつかあるのが特徴的。23区武三地区ではないにしてもそのあたりに住んでいる方には安心ですね。

ただ、応募資格に二種免許所持者という条件があるのが気になります。二種免を所持していない未経験者の方にとっては入社のハードルが高くなりますね。入社祝い金が30万というのはありがたい。給料もざっくりとした記述なのと、5種類あるという勤務体系が詳しく書かれていないので色々含めて問い合わせ時に要確認。

帝都自動車

出典：帝都自動車交通株式会社

緑色に光る行燈の真ん中に帝の文字、帝都自動車さん。
配車アプリは GO《ゴー》 とS.RIDEの二つを押さえています。
専用乗り場は汐留シティーセンターの正面（西口）玄関、銀座ナイン３号館内、東京ミッドタウン内の三か所。

なんといっても特徴的なのがたくさんの独身社員寮があること。価格は33,000円からあるそうです。サイトを見るとなかなかきれいなお部屋も。住居に困っている方は注目してもいいのではないでしょうか。

人間ドッグ補助金、というのもいいですね。年齢層が高いこの業界では人間ドッグまで面倒見てられないというのが普通だと思いますのでありがたい。実際に行かないとわからないにしても、こういう文字を見るとひとりひとりを大事にしてくれそうな会社かなという印象になりますね。

グループ会社の自動車教習所があるとのことで実地試験免除、費用も負担してもらえて二種免許取得が可能。未経験者にも安心です。

↓↓↓ここからは四社ではないですが東京都心でよく見かけるタクシー会社をいくつか紹介します。

東京無線タクシー

出典：東京無線タクシー

東京を代表する大きな無線グループ、緑色のボディーと言えば東京無線さんです。
“タクシー東京無線”という専用アプリがあります。

私は田舎育ちで東京四社など知りませんでしたが、よくテレビに映るのがこの緑のボディーのタクシーというイメージでしたので、東京といえば東京無線さんだろうと思っていました。テレビの影響というものは大きいものですね。

調べてみるとそれには理由がありました。

東京無線さんには上級乗務員資格制度というものによってサービスリーダー・タワーリーダーという上位乗務社員レベルがあり、そこからさらに選抜試験に合格すると、フジテレビ本社ならびに湾岸スタジオの無線配車を受ける権利を得られるという仕組み。テレビ局では特殊なニーズがあるでしょうから仕事としては面白そうですね。それでよくフジテレビの番組で見かけたというわけで納得です。

専用乗り場は比較的西側にある病院が多いです。
東京警察病院、関東中央病院、荻窪病院、佼成病院、浴風会病院。
都心では広尾の日本赤十字医療センター。
病院以外では中野セントラルパークサウス、ホテルグレイスリー新宿。

先ほども書きましたが、四社と違うのが

“東京無線協同組合は、東京都23区・武蔵野市・三鷹市(以下武三地区)を営業区域とするタクシー会社によって組織されている協同組合”

という説明通り、
2020年4月現在の東京都23区・武三地区での加盟事業者数は51社からなっておりますので51通りの募集要項があり、各会社ごとに特徴が様々あるようです。
さすがに私のページではすべてを載せられないので、以下のページで様々な条件ごとに探してみて下さい。

東京無線タクシー採用情報検索ページ
https://www.tokyomusen.or.jp/recruit_driver/

都合の良い勤務地検索や、女性の施設・寮・各シフトの有無などはこのページでぜひ探してみましょう。

日の丸交通株式会社

出典：日の丸交通株式会社

日の丸交通さんのページを見ると、中途採用、女性、新卒というそれぞれの世代の持つ不安に対して丁寧に向き合って情報を発信しているのがとても好感が持てます。

特に、子育て世代に非常に響くものが提携保育園です。しかも補助ありと書かれています。
更に、住宅支援制度という家賃補助が付くというのは大きな特徴です。ライフスタイルを大切にしながら仕事ができるというのは従業員満足につながり、それがひいては顧客満足に繋がります。企業姿勢としても正しくあろうとする気持ちが伝わってきますね。

配車アプリは2020年12月からUber。現在東京の法人タクシーで唯一配車アプリがUberなのは日の丸自動車さんだけです。他に専用アプリは特にないようですが日の丸さん専用で配車依頼したいときはアプリではなくサイト登録した上でログインして配車するスタイル。

専用乗り場は明確なものを探せませんでしたが、日本交通さんとの共同運行として六本木ヒルズがあるようです。

“二種免許取得支援制度”としか書いていないので、二種免許取得料金を負担してくれるかどうかは確認したほうがいいでしょう。

株式会社グリーンキャブ

出典：グリーンキャブ

ペパーミントグリーンとダークグリーンのツートンカラーのさわやかなボディーが特徴のグリーンキャブさん。
勤務形態を見ると日勤は無さそうです。隔日勤務のみでしょうか。
アプリはS.RIDE。

専用乗り場は東京医科大学病院と赤坂ビズタワー(他二社との共同)。
23区内７か所に社員寮があるようです。要チェックです。
新生活準備金応援制度や、生活応援資金制度という新しい生活を始める方にはありがたそうな制度があるようですから体制を整えたい方にはとても力になる会社ではないでしょうか。
二種免許取得料金の負担は要確認。

自分ではなかなか判断できないという方は転職サイトの利用という方法を

けこちは「ここだ！」と腹を決めてタクシー会社に直接応募してこの道に入りましたが、転職サービスを利用するメリットは、専門の知識を持った方に相談しながら転職活動を進められるところと、複数の可能性を比較できるという事。いくつかピックアップしてみます。

タクシー求人サイト「転職道.COM」

トップページにあるマップで探すことができるので、自分の居住地から勤務地へ通う事を想定しやすい仕組みになっています。無料相談窓口もあるので、未知の世界に転職する不安もきっと解消できると思います。詳細は公式ページを参照してみてください。

転職道.com

タクシー求人サイト 無料転職支援サービス タクQ

【タクQ】 無料転職支援サービス

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住宅に困っている方の為の注目サービス

東京で稼ぎたいけど住宅費が…と思っている方にとって有効なサービスを二つご紹介します。

寮に入りたいなら【入寮ドットコム】

寮に入る事を想定した転職をするならこのサイト。住むところを落ち着かせられるってとても大切な事。

【入寮ドットコム】

寮は無いけど狙っている会社に入り、住宅費は抑えたい人向けのサービス

水周りだけをシェアすることで家賃を安くするサービスもあります。都内で三万円という値段ではまず住めないけれど、「シェアドアパートメント」ならそれが可能になります。

シェアドアパートメント

あとがき

タクシーは皆さんが考えているほどたやすい仕事ではありませんが、おそらく皆さんのそれまでの生活では見えてなかったことが見えてくる不思議な面白味のある職業でもあります。

今回の様に色々調べてみるといろんな会社の試みや姿勢などが伝わって非常に興味深いものでした。自分の会社だけにいると見えない事ってたくさんありますね。

ありがたいことに2023年11月14日には、2007年以来15年ぶりの運賃改定がありました。23区武蔵野三鷹地区においてはタクシーの料金体系が変わり、タクシー業界や乗務社員は非常に救われたと思います。

20代30代の若い方はもちろんのこと、40代50代という年齢でなかなか転職がうまくいかない、でも稼がなければいけない！そんな方にけこちはタクシーをおすすめします。