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タクシーの休憩時間

タクシーアイキャッチ

ある日の昼下がり、車内でお昼ご飯を食べ終えたところでそのまま横になり、いつしか眠りについていた時のことです。

ドンドンドンドン!!と窓をたたく音で目を覚ますと、見知らぬおじさんが私をにらみつけるように立っていました。少し恐怖を感じながらもドアロックを確認しながら何事もないかのように窓を少し開け私は笑顔で言いました。

私「どうかしましたか?」

おじさん「何寝てるんだ!?タクシー乗り場で並ぶんなら寝ちゃダメだろ!
近くまでなんだけど乗せろ!」

私は少し深めに眠りについていたので寝ぼけていました。なぜ怒られているんだろうと不思議でした。
よく思い出せ、ここはただの道路、タクシー乗り場じゃないし私は回送状態で休憩中だった…そこまでなんとか自分の頭を回したのでおじさんに言いました。

私「回送ですし休憩中なので違うタクシーに乗っていただけますか」

おじさん「だったらどっか行け!!」

私はその場にいると何をされるかわからないという恐怖も感じたので数メートル先に車を移動させて車を停め、再び眠りにつこうとしましたが眠れませんでした。
言われた事の理不尽さに対し、寝ぼけていたので即座に正しい言葉を返すこともできなかった自分への腹立たしさから納得のいかない気持ちになってしまったからです。

おじさんは、早くタクシーに乗って移動したかったのにタクシーが周りにいなくて困っているところでやっと見つけた、しかしいざタクシーをのぞいたら運転手は寝てたと。
腹が立ったんでしょうね。

タクシードライバーが道端で寝てるのを皆さん見たことがあると思います。
そこから一般の皆さんの受けるのはどんなイメージですか?
その時間が休憩かどうかはおいておいて、車の中で寝ているという光景をさぼっているように見えてしまう場合もあるのではないかと思います。

しかし、事務職などとは違って車を長時間運転するタクシードライバーやその他職業ドライバーにとって、休憩というのは非常に大切な要素です。
休憩のお話をしましょう。

目次

休憩の定義

タクシーの休憩に関わる法律、規則は

  1. 労働基準法
  2. 「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準について」平成元年3月1日付け基発93号(以下93号通達)
  3. 各社就業規則

主に上記三つによって定義されます。まず基本の労働基準法を見てみましょう。

労働基準法 第四章
(休憩)第三十四条 使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。

引用元:昭和二十二年法律第四十九号 労働基準法

これは労働基準法なのでタクシーだけではなく、世の中の使用者の方たちはこの法律に従って従業員に対し、休憩を与えなければいけないという事が定義されています。

その他関連するのは以下の93号通達

自動車運転者の労働時間等の改善のための基準について
(平成元年三月一日)
(基発第九三号)
(都道府県労働基準局長あて労働省労働基準局長通達)

第三(一) 労働時間等の取扱い
イ 労働時間の取扱い
労働時間は、拘束時間から休憩時間(仮眠時間を含む。)を差し引いたものとすること。この場合において、事業場外における仮眠時間を除く休憩時間は三時間を超えてはならないものとすること。ただし、業務の必要上やむを得ない場合であって、あらかじめ運行計画により三時間を超える休憩時間が定められている場合、又は運行記録計等により三時間を超えて休憩がとられたことが客観的に明らかな場合には、この限りでないものとすること。

二 留意事項
(一) 労働時間等の取扱いに関する留意事項
イ 労働時間の取扱いについて
(イ) 自動車運転者の業務は事業場外において行われるものではあるが、通常は走行キロ数、運転日報等からも労働時間を算定し得るものであり、一般に法第三八条の二の「労働時間を算定し難いとき」という要件には該当しないこと。
事業場外における休憩時間については、就業規則等に定めた所定の休憩時間を休憩したものとして取り扱うこととしたが、休憩時間が不当に長い場合は歩合給等の賃金体系との関連から休憩時間中も働く可能性があるので、事業場外での休憩時間は、仮眠時間を除き、原則として三時間を超えてはならないものとしたこと。
なお、手待時間が労働時間に含まれることはいうまでもないこと。

引用元:自動車運転者の労働時間等の改善のための基準について

運行計画の中で三時間以上取らなければいけないケースがあるとしたら仕方ないけれど、基本三時間を超えないようにしなさいと書かれています。
留意事項の中で、“事業場外における勤務時間”というのはタクシーの勤務形態にそのものです。私たちドライバーはたいてい外にいます。その場合は就業規則に定めた所定の休憩時間を休憩したものとして取り扱う、とありますので、各会社の就業規則をしっかり確認し、それに沿った休憩の取り方をすればいいのです。
ちなみに私の会社は日勤一時間半、隔日勤務三時間で、必ず停まって休憩ボタンを押して休憩時間を消化しないといけません。
更に留意事項の中にはこうも書かれています。
“手待時間が労働時間に含まれる”
これは、つけ待ちや無線待ちなどですぐに仕事に復帰できるような状態は休憩ではなく勤務時間としてみなすという事です。
完全に労働から解放された状態でないと休憩とは言えない、会社がつけ待ち休憩はだめだという根拠はここにあるのですね。

それらを踏まえてタクシーにとっての休憩時間とはどんなものか整理してみましょう。

タクシードライバーの休憩時間

休憩時間は労働から完全に開放された状態で継続して停止をし、労働基準法と改善基準と就業規則に基づいて、安全な業務継続のために必ず取らなければいけないもの

さぼるわけではなく、安全の為に休まなければいけないのです。

まとめ

私の場合、この仕事ほど休憩にうるさい仕事は過去にありませんでした。
休憩を取らないと怒られるお仕事です。

あのおじさんにも説明してあげたかったな…。

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